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三杯プラス1 野毛「武蔵屋」 [横浜]

2月10日(金)

 仕事の帰りに野毛まで歩く。
 今日は「武蔵屋」である。
 いつも混んでいるので遠慮していた。
 が、今日は「酒場にいこう」の千一回目ということで、久々の訪問となった。
 これが飲み歩きオンリーなら「千一夜物語」とでも名付けるところだ。

 店に入ったのは17時5分ぐらいだったかな。
 私の場合、明るいうちから飲むことが多いので、どちらにしても「千一夜」というのは、無理があるか。
 暖簾も看板もない普通の民家の入口。
 開けるときは、やはりドキドキする。
 店内は、
もう一杯。
 テーブル席に1つ空きがあったので「失礼します」と言って座る。
 以前はこのくらいの時間だと、もうちょっとがらんとしていたんだがなあ。
 店に出ているおばちゃんは一人。
 あとは若い人達が、にこやかに働いている。
 お兄さんが一人に、お姉さんが三人ぐらいいたかな。
 やはりこれぐらいないと、さばききれないんだろう。
 
 今日は結構暖かく、ビールを飲んでいる人が多い。
 私は最初から燗酒にする。
 
 お兄さんがグラスに、つーっと注いでくれる。
 目一杯注ぐので、口からお迎えに行かなくてはならない。
 桜正宗は甘口の酒なのだが、べたつかずスーッと入っていく。
 常連さんも「ここの酒は美味いねえ」と言っている。
 つまみは定番の、酢玉ねぎとおから。
 燗酒にも合うが、ビールにもいける。
 のんびり飲んでいると、撮影隊が入ってきた。
 リポーターみたいな人はおらず、ただ黙々と撮っている。
 なれているのか客もほとんど反応がなく、普通に飲んでいる。
 店は完全に満杯で、一人客の入る余地もない。
 何人かの人が店をのぞいては帰っていく。
 そこいら一回りして、また来るのかな。
 でもこの店、他所で飲んできたお客さんも、お断りじゃなかったっけ。
 
 燗酒を頼み、つまみは納豆。
 普段、納豆は朝飯に食べるもので、酒のつまみにすることはほとんどない。
 まあ居酒屋ではイカ納豆だとか、納豆のはさみ揚げなんてのもあるが。
 普通の納豆が定番の中に入っているのは、なかなかユニークである。
 さらに燗酒を、お代わり。
 つまみは漬物とタラ豆腐だ。
 これが最後に来るってのは、しめの鍋みたいな発想なのかな。
 しかし酒三合の伴につまみ五品は、ちょっと多いかなという気がする。
 最初にビールを頼めば、バランスとしてはちょうど良いかもしれない。
 しかしそれだと、夕飯前の晩酌としては飲みすぎかな。
 今度来る時は、昼飯を軽いものにしておこう。
 我ながら爺くさい発想だな。
 いつの間にか、撮影は終わっている。
 こちらも終了。
 と思ったら「おばちゃんからです」と、小さな杯に一杯出てきた。
 新システムみたいだ。
 
 きゅっと平らげ、計2200円払って店を出る。
 外では5~6人のお客さんが寒空の下、待っていた。
 なぜかみんなニコニコしている。
 一人出たからと言って、一人しか入れないのだが。
 まあここは「三杯屋」なので、待っていればそのうち入れるか。
 私は店の決まり通り帰路につく。
 考えてみれば晩酌派の人間にとっては、ぴったりの店なのである。
 


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